Self-Direction セルフディレクション
セルフディレクション・プロジェクト
―芝居を通じた人作り― セルフ・ディレクションの概要
自立・自律という言葉が重視される一方、どのように自らを扱えばよいのか自分でもわからない人がたくさんいます。自ら道を設定してそこを歩む能力、そして他者や社会とのつながりを築いていく能力こそが真に求められているのです。
こうした能力を我々は、「セルフ・ディレクション」と呼びます。
「セルフ・ディレクション」は、「生きる力」を形成する教育、そして世代間交流や地域力の形成に貢献します。これらの目的に基づいた自己実現を支援していくために、自分に適切なコーチングを授けてくれる人の存在や、自分を客観的に見つめることができる環境といったものを提供する場が「セルフ・ディレクション」プロジェクトです。
プロジェクトを実際に見て頂き、体験して頂くために、ワークショップを企画しました。本プロジェクトが目指す「芝居を通した人づくり」を多くの方々に実感して頂き、教育や地域力形成という狙いを共有したいと考えています。
プロジェクトの重点
本プロジェクトでは、「芝居」を通して人づくりを行います。芝居は「役柄」を通して、自分ではない誰かの立場を経験します。また声や表情、さらに全身を用いて自分を表現する練習となります。そうした経験が、他者への理解や適切な自己開示を可能にします。
芝居や演技は役者だけに求められる、何か特別なものではありません。人は他者と関わること無しに生きていくことはできません。人と人とのコミュニケーションをきちんと行える、その重要性に自ら気づくことができるきっかけとしての学習・教育を重視します。
我々が目指す芝居・演技は、その場を取り繕うための表面的なものではありません。芝居は役を通じて、異なる人格と接していきます。そこで相手の気持ちを考えたり、自分の置かれている状況を客観的に考えたりとコミュニケーションに必要な能力を身に着けていくことができます。
プロジェクトの意義
コミュニケーション
芝居を通じた人づくりという本プロジェクトが重視するのは、コミュニケーションの力です。インターネットが高度に発達するなどして、人と人が直接関わりあってコミュニケーションをとることが少なくなりました。きちんと自分の思いを伝えられない、相手の思いを受け止められないという人々が増えてはいないでしょうか。
自ら人と関わっていける積極的な姿勢、まさに「生きる力」を養うことを目的としています。学習指導要領でも謳われているように、思考力・判断力・表現力が求められています。そうした力を身に付けられるよう、社会心理学、言語学、法学、コミュニケーション論などの学問的な知見も盛り込んだアプローチで指導内容の監修を行い、教育に力を注ぎます。
また「イメージをとらえた表現や踊りを通した交流を通して仲間とのコミュニケーション」を養うことも同要領に定められています。本プロジェクトは芝居と共に、リズムやダンスといった活動も行うことによって、学習指導要領に歌われているような諸能力の涵養、ひいては社会が目指す人づくりに、広く貢献できるものと考えています。
世代間交流・地域力形成
プロジェクトそのものは、あらゆる年代や場面にいる人々を想定しています。人と関わるということに、年齢は関係ありません。それぞれの世代で、求められている・身に付けたいコミュニケーションが存在します。また異なる世代でコミュニケーションをとっていくことも求められています。芝居は他者とのコミュニケーションの機会を提供します。したがって、本プロジェクトは、芝居を通じてそういった需要への解決策の一端を提供します。
また世代間でつながる、世代を超えてつながるということは、地域力を形成することにつながります。特に都市部では、人々のつながりが希薄になっていると指摘されます。隣人は知らない人、ご近所さんとつながりはないということは珍しい現象ではありません。本プロジェクトを通じて、自分から他者とつながっていける能力を養うことで、地域力の形成や強化ができます。地域や社会で人々がつながって生きていく場所を作ることに貢献します。